初心者は「勝つ」より「負けない」。人生初の内覧で4,000万を見送った私が学んだこと
不動産投資を始めようと人生で初めて内覧に行ったのは、駅近・築2年・4,000万の賃貸併用住宅。立地も出口も悪くなかった、それでもビビって見送った理由と、その経験が戸建A購入につながった話。
副業禁止の会社員として本業を続けながら、妻名義の合同会社で2棟目(築13年・木造10戸のアパート)を持っている「さる」と申します。
不動産投資を始めて何件か内覧してきましたが、人生で一番最初に内覧に行った物件のことは、今でも覚えています。
結論から言うと、その物件は買いませんでした。立地は良くて、出口(売却時の値持ち)もそこまで悪くなさそうだったのですが、初めてだったので、ビビった。それだけです。
ただ、今振り返ると、あのときビビって見送ったこと自体は失敗ではなくて、むしろそのあとに変えた行動のおかげで、今の戸建A・戸建B・アパートC(築13年・10戸)まで辿り着けたと思っています。
「最初の内覧でビビった」「金額を見て手が止まった」という方は、たぶん私と同じ場所に立っています。今回は、そのときの記録と、そこから何を変えて次に進めたかを書きます。
人生初の内覧は、駅近・築2年・4,000万の賃貸併用住宅だった
物件のスペックはざっくりこんな感じでした。
- 種別: 戸建(賃貸併用住宅。1階を自分で住んで、2階を貸す、みたいな構造)
- 築年: 当時で築2年(ほぼ新築)
- 価格: 約4,000万円
- 想定利回り: 5%前後
- 立地: 駅徒歩圏内、地方都市の主要エリア
- 見つけた場所: アットホーム
賃貸併用住宅というのは、自分が住むスペースと賃貸に出すスペースが同じ建物の中にある形式の戸建です。住宅ローン(自分が住む前提の低金利ローン)を引きやすくて、家賃収入でローン返済の一部を賄える、というのが売りの商品。
当時の私は「自分が住みながら賃貸に出せたら、家賃でローンが軽くなって、いずれ完済できれば資産が残る」と素朴に考えていました。雑誌や本でよく出てくる「不動産投資の始め方」みたいなロジックそのままです。
立地は申し分なかったし、築2年なので大きな修繕も当面はかからない。利回り5%は今の私からすると低いですが、当時は「ローン金利1%台で借りて5%回るなら、まあ悪くないのでは」と思っていました。
そして実際に内覧に行きました。
立地も出口も悪くなかった、それでも見送った2つの理由
内覧自体は、特に問題を感じませんでした。新築同然なので、外壁も内装もきれい。日当たりも悪くない。営業の方の説明も丁寧で、嫌な感じは全然なかった。
それでも私は、見送りました。
理由は2つあります。
理由1:4,000万という金額にビビった
これが正直、一番大きかったです。
自分が一括で払うわけではなく、住宅ローンを引いて買う前提でしたが、それでも4,000万の借金を背負うということ自体に、手が震えた。
会社員として年収は1,000万前後ありましたが、これまでの人生で「数千万円を一気に動かす」経験なんて一度もなかったわけです。住宅ローンの審査が通る/通らない以前に、自分の頭が「4,000万」という数字を受け止めきれていない。
「これで失敗したら、人生終わるんじゃないか」というのがリアルな感覚でした。
理由2:相場感がまったくなかった
もう1つは、これが本当に「4,000万に見合った物件なのか」を判断する基準が、自分の中になかったこと。
築2年・駅近・4,000万・利回り5%。この数字の組み合わせが、その地域・その種別の中でどのくらいのポジションにあるのか、私はまったく知らなかった。
営業の方は「立地が良いので、出口でも値持ちします」と言っていたし、それは多分本当だったと思います。でも、私の中に比較対象になる他の物件がなかった。
「初めて見た物件で『これは安い』『これは高い』を判断するのは、初めて行ったラーメン屋で『日本一』を決めるくらい無理筋だな」と、内覧から帰ってきて思いました。
ビビった理由を2つに整理しましたが、実態としては**「金額が大きい × 相場感ゼロ」という掛け算で、判断不能になった**というのが正しい表現です。
見送ったあとに変えた2つの行動
ここからが、今振り返ると重要だったところです。
「ビビって見送った」で終わりだったら、たぶん私は今も大家になっていません。見送ったあと、自分なりに2つの行動を変えました。
行動1:ポータルサイトを毎日周回するようになった
それまでは「気が向いたときに楽待やアットホームを覗く」くらいだったのを、毎日決まった時間に物件サイトを開くようにしました。
最初は何を見ればいいのか分かりません。とりあえず、
- 自分が買えそうな価格帯(500万〜2,000万くらい)
- 戸建中心
- 利回り10%以上
くらいの条件で、エリアを広めに取って、出てくる物件をひたすら眺める。
これを2〜3ヶ月続けると、「あ、この立地でこの築年でこの価格なら、利回りこのくらいになるな」が頭の中で勝手に計算できるようになる。相場感とはこれのことだったか、と腑に落ちました。
これは、誰かの本を読んで身につくものではなくて、自分の目で物件を見続けないと作れない感覚だと、今でも思っています。
行動2:知人ルートで不動産関係者を紹介してもらった
並行して、自分の周りで不動産業界に近そうな人に「物件探してます」と声をかけました。
直接の知人にいなくても、知人の知人くらいまで広げると、誰か1人か2人は接点が出てきます。私の場合は、知人から地場の不動産関係の方を紹介してもらえて、そこから「業者でも一般の人にも出回らない物件」「業者間で先に流れる物件」の話を聞けるようになった。
ポータルサイトに載る前の物件情報が来るようになるのは、相場感ができたあとに効きました。相場感がない状態で紹介を受けても判断できないので、順番としては「まずポータル周回」→「次に紹介ルート」が正解だったと思います。
物件紹介で支払った費用については1棟目で紹介料を200万払った話に別途書いていますが、ここでは省略します。
戸建Aで「ビビらなかった」のは、土地値以下だったから
このあと、私は戸建Aを買うことになります。価格帯は4,000万からは大きく下がり、利回りは10%を超える物件でした。
戸建Aを内覧したとき、最初の4,000万のときのような「手が震える感覚」はありませんでした。理由はシンプルで、土地の価格が相場より明らかに安かったからです。
その地域の土地値(公示地価や近隣の取引事例)を調べると、建物価値をゼロと見なしても、土地だけで購入価格を上回っている状態だった。
つまり、最悪の場合でも、建物を取り壊して土地として売却すれば、購入額くらいは回収できる計算になります。「もし入居がつかなくても、建物がボロボロでも、土地で逃げられる」という安心感が、私にとっての最大のブレーキ解除でした。
土地値以下で戸建を買う考え方は、土地値以下の築古戸建を買うという発想で詳しく書いています。
最初の賃貸併用4,000万・利回り5%は、土地値で買い戻せる物件ではなかった。新築プレミアム(築浅という付加価値)が乗った価格で、利回りも低い。立地は確かに良かったけれど、それは「逃げ道」ではなく「攻め道」の価値で、初心者の私が出口で頼れる安全マージンではありませんでした。
初心者は「勝つ」より「負けない」を優先しろ
ここが今回一番伝えたい話です。
不動産投資を始めようとする人の多くが、最初に「いい物件を買って勝ちたい」と考えます。私もそうでした。立地・築年・利回り・ローン条件、全部を高い水準で揃えた物件を狙いがちです。
でも、最初に意識すべきは「勝つ」じゃなくて、**「負けないこと」**だと、今ははっきり思います。
- 万一空室が続いたら、何ヶ月持ちこたえられるか
- 万一売却するとしたら、いくらで売れるか
- 万一物件が壊れたら、保険でカバーできるか
この「万一」が3つとも答えられる物件だけが、初心者にとっての負けない物件です。4,000万の賃貸併用は、立地は良かったけれど、空室時のキャッシュフロー余力も、出口の最低保証も、自分の中で計算できていませんでした。
逆に戸建Aは、利回り10%超で月々のキャッシュフローに余裕があり、土地値以下で出口の床(最低価格)も読めた。「負けない」が成立していたから、ビビらずに買えた。
物件を選ぶ軸については1棟目を買うときに決めた物件選定の軸にもまとめていますが、結局それも「負けないライン」の言語化です。
今あの賃貸併用が目の前に出てきたら買うか?
最後に、当時の物件が今もう一度目の前に出てきたら、私は買うかどうか。
今でも買わないと思います。
理由は2つあって、
- 利回り5%は、今の自分のキャッシュフロー戦略には合わない(最低でも10%欲しい)
- 賃貸併用は「自分が住む」と「賃貸に出す」の両方を兼ねるので、出口で売るときに買い手が限定される(純粋な投資家には売りにくく、住む人には賃貸部分が邪魔になる)
ただ、当時の判断材料で「ビビって見送った」のと、今の判断材料で「合わないから見送る」のは、まったく違うものです。
当時の私は、見送る理由を言語化できていませんでした。「なんとなく怖い」で見送って、それは結果的に正解でしたが、再現性はゼロでした。
今は、「なぜ買うか/なぜ買わないか」を毎回言葉にするようにしています。これができるようになったのは、毎日サイトを周回した数ヶ月と、戸建A・戸建B・アパートCの3棟を通じた検討と判断の積み重ねがあったからです。
まとめ:人生初の内覧でビビっても、それは始まりに過ぎない
長くなりましたが、今回のまとめです。
- 人生初の内覧(4,000万・賃貸併用)は、立地も出口も悪くなかったが、ビビって見送った
- ビビった理由は「金額の大きさ」と「相場感ゼロ」の掛け算
- 見送ったあと、「ポータル毎日周回」と「知人ルートの紹介」で相場感を作った
- 戸建Aは土地値以下だったので、ビビらず買えた
- 初心者は「勝つ」より「負けない」を優先したほうがいい
最初の内覧でビビるのは、たぶん多くの人が通る道です。大事なのは、ビビった理由を放置せず、相場感を作るための行動に変換すること。私はそれをやってよかったと、今でも思っています。
物件を見るときの具体的なチェックポイントは、内覧で外さない4つのチェックポイントにまとめています。あわせてどうぞ。
相場感を作るために、まず資料請求から始めるという手もある
物件を毎日見続けるのが一番ですが、最初は「どこを見ればいいか」「どんな提案を業者がしてくるか」のサンプルが少ないと、サイトを開いても情報が頭に入ってきません。
私の場合はサイト周回と知人紹介で進めましたが、もし今ゼロから始めるなら、複数社の資料を一度に取り寄せて比較するのは、相場感を作る最短の方法だと思います。
- Oh!Ya(オーヤ)の不動産投資資料一括請求:複数社の物件提案を一括で取り寄せられる。提案の幅で「この業者は新築押し、この業者は中古推し」が比較できる
- 勝つための不動産投資:初心者向けに不動産投資の基礎と物件選定の考え方を学べる教材
無料で取り寄せできるので、「ビビらないための材料集め」として早めに動いておくのは悪くないと思います。
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副業禁止のサラリーマン大家 / 法人スキーム実践中
30代の会社員。築古戸建で個人購入 → 妻名義法人で2棟目を取得。 法人融資で3棟分契約解除という授業料を払った経験から、 融資・節税・物件管理の「数字と戦略」をリアルに発信しています。
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