13年満室だった築古アパートを引き継いで、私が確認したこと/しなかったこと
13年満室の中古アパートは本当に買いなのか。妻名義法人で2棟目を取得した私が、前オーナーの13年実績を確認した観点と、あえて確認しなかった部分、引き継いで数ヶ月の現実を正直に書きます。
副業禁止の会社員として本業を続けながら、妻名義の合同会社で2棟目(築13年・木造10戸のアパート)を持っている「さる」と申します。
中古アパートを物色していて、たまに出会うのがこういう物件です。
「築13年・10戸・ずっと満室です」
最初に聞いたとき、私は「裏があるんじゃないか」と疑うより先に、純粋に興味が湧きました。13年も埋まり続けるなら、それなりの理由が物件にあるはずだ、と。
結果的にこの物件を引き継いで、現在運営3ヶ月目です。実際に何を確認して買ったのか、逆にあえて深掘りしなかった部分はどこか、引き継いだ後に分かったことは何か——2棟目を検討している同世代のサラリーマン大家に向けて、できるだけ正直に書きます。
13年満室の物件を見たとき、私が確認した3つの観点
私が確認したのは、結局この3つでした。
- 入退去履歴(部屋ごとの空室期間・回転率)
- 修繕履歴(屋根・外壁・給排水)
- 周辺の家賃相場・空室率
家賃台帳の細かな数字、管理会社との具体的な契約条件などは深く踏み込んでいません。理由は後述しますが、「すべて完璧に確認してから買う」というスタンスは現実的ではないと私は割り切っています。
① 入退去履歴:細かい数字より「埋まり続けた理由」を見た
入退去履歴は確認しましたが、「13年で延べ何ヶ月空いたか」という具体的な数字までは追いかけていません。代わりに、なぜ埋まり続けたのかを周辺環境から読み解く方を優先しました。
物件のあるエリアは地方都市で、以下のような特徴があります。
- 競合となる賃貸物件が少ない
- 周辺に大企業の工場が複数ある
- アクセス・スーパー等の生活インフラはごく標準的
つまり、需要側の母数が安定していて、供給側の競合が薄いエリアでした。これが分かった時点で、「13年満室は偶然ではない」と判断できました。
数字を細かく追わなかった理由は単純で、仲介会社が信頼できたからです。これは記事の後半でもう一度触れます。
② 修繕履歴:10年目で中規模修繕が入っていた
築13年の木造アパートで一番気になるのは、屋根・外壁の塗装です。塗膜の防水性能は10〜15年で落ちてくるので、ここをいつ最後にやったかで、これからの数年の修繕負担が大きく変わります。
確認したところ、10年目で中規模修繕が一度入っていました。屋根・外壁の塗装、コーキングの打ち替え、共用部の補修などが含まれていたと聞いています。
これが意味するのは、引き継いで数年は大規模出費が来ない可能性が高い、ということです。次の塗装サイクルは目安で築20〜23年あたり。私の保有想定期間と比べると、運営の足元が落ち着いている時期に当たります。
築古を買うときは「どこを直したか」ではなく、**「次にどこを直さないといけないか」**を逆算するのがコツだと思います。今回はその逆算が比較的やりやすい物件でした。
③ 周辺相場:㎡単価で家賃の妥当性を検証
家賃の数字は確認しました。具体的な平均家賃は記事では伏せますが、「築年数・専有面積・家賃」を㎡単価に直して、周辺相場と並べたとき、違和感のないレンジに収まっていました。
ここが大事で、もし家賃が周辺相場より明らかに高い水準で「13年満室」だったとしたら、退去時に下げ圧力が来ます。逆に、相場通り or やや控えめな家賃で満室なら、その家賃は持続性がある、と判断できます。
私の物件は後者でした。地味ですが、これが地味に効きます。
私があえて深掘りしなかった部分
3つ確認した一方で、踏み込まなかった項目もあります。
- 13年で延べ何ヶ月空いたかの正確な集計
- 家賃台帳10年分の細かな推移
- 周辺空室率の数値(XX%とまでは詰めていない)
- 過去の入居者属性(個人か法人か、年齢層)
これは怠慢ではなく、**「ここまで詰めても判断は変わらない」**と腹落ちしていたからです。需要側(競合少・大企業工場複数)と供給側(築13年で外観も悪くない)の両方が確認できた時点で、私の中の判断は決まっていました。
完璧主義になりすぎると、いい物件はライバルに先を越されます。確認すべきは「致命的なリスクがないこと」であって、「すべての数字が見えること」ではない、というのが2棟目で学んだ感覚です。
引き継いで数ヶ月、実際に起きていること
運営はまだ3ヶ月だけです。13年満室が本物だったかどうかを語るには、私の運営期間が短すぎます。これは正直に書いておきます。
ただし、この数ヶ月で起きた事実が2つあります。
事実①:更新契約で賃料アップに成功
直近で更新時期を迎えた部屋が複数あり、問題なく賃料アップで合意していただきました。これは大きな意味があります。
満室を維持できるだけでなく、家賃水準を上げる余地があった、ということ。前オーナーがやや控えめに家賃設定していたのか、エリアの賃料が上がっているのか、要因はどちらもあると思います。いずれにせよ、購入時点で「家賃の頭打ち」状態ではなかった、と引き継いで分かりました。
事実②:法人契約の部屋が複数ある
入居者の属性を引き継いで初めて知ったのですが、別々の法人と契約している部屋が複数あります。これは想像以上のリスク分散になります。
個人入居者の場合、転勤・離職・家族事情で退去が読めません。法人契約の場合、社員の入れ替わりがあっても部屋自体は法人名義で維持されることが多く、空室期間が短くなりやすい。**「10戸の入居者属性が分散している」**こと自体が、満室の維持力に直結しています。
これは買う前には正確に把握していなかった部分で、引き継いで「上振れ」だったと感じています。
13年満室を成立させる本当の要因は、仲介業者の信頼性
ここまで読んでいただいて、「で、結局あなたは何で踏み切れたのか」と感じる方もいると思います。
実は、懇意にしている不動産会社経由の物件だった、というのが一番大きい要因です。
その会社は、私が物件を買う買わないにかかわらず、いつも事実を教えてくれます。良い情報も悪い情報も、こちらが裏をかいた質問をしても、正直な答えが返ってくる。
13年満室というキャッチーな情報が出てきたとき、情報源が信頼できることそのものが、最大の安全装置でした。家賃台帳を10年分見るより、信頼できる業者の言葉一つの方が、判断材料として重い場面はあります。
逆にいうと、飛び込みで来た「13年満室物件です」という情報は、まったく別の重みで扱う必要があるということでもあります。同じ事実でも、ソースの信頼性で意味が変わるのが中古物件の世界です。
2棟目検討中の方へ:13年満室物件で確認すべき4つの軸
最後に、私の経験から、2棟目で似た物件に出会ったときの確認軸を4つに絞ります。
- 賃貸需要:エリアの雇用・人口動態。大企業工場・大学・病院などの需要源があるか
- 周辺相場:競合物件の数、空室率、㎡単価で見た家賃の妥当性
- 土地の価格と売買価格:土地値に対して買値が割高でないか(「築古戸建を土地値以下で買う判断軸」に詳しく書きました)
- 収益性:表面利回りではなく、月のキャッシュフローで残るか(「築古木造アパートの表面利回り10%は本当に儲かるのか」で実数を公開しています)
この4つを順番に並べて、どれか一つでも明確にダメなら見送る、というシンプルなフィルタです。
まとめ:13年満室は「偶然」ではなく「設計」の結果
中古アパートの「13年満室」という情報は、聞いた瞬間にどう受け取るかで投資判断が分かれます。
「裏がある」と決めつけてしまえば機会を逃しますし、「ラッキーだ」と飛びついても痛い目を見ます。13年満室を成立させた構造(需要・相場・修繕・運営者)を一つずつ分解して、自分が引き継いだあとも維持できるかを読むのが正しい入口だと思っています。
私の場合、需要と相場の安定感、10年目の中規模修繕、信頼できる仲介業者という3つが揃っていたので踏み込みました。引き継いで3ヶ月、賃料アップと法人契約分散という上振れも見えてきています。これが2年・3年と続くかは、ここからの運営にかかっています。
物件選定の軸を整理する話は、「不動産投資で失敗しない物件選びの軸」にもまとめています。本記事の「13年満室をどう読むか」と合わせて見ると、中古物件の評価が立体的になるはずです。
信頼できる仲介業者にどう出会うか
中古アパートの世界で一番効くのは、結局「事実を正直に教えてくれる業者と繋がっているかどうか」です。これは時間をかけて関係を作るのが正攻法ですが、入口として一括面談で複数社と話してみるのは効率的です。
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