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法人1期目、税理士マッチで詰まった話|紹介ASPじゃなく知人に頼んだ理由とスプレッドシート運用
税務・数字

法人1期目、税理士マッチで詰まった話|紹介ASPじゃなく知人に頼んだ理由とスプレッドシート運用

副業禁止サラリーマン大家の妻名義法人、1期目で詰まったのは税理士選びと帳簿付けでした。ネット検索・紹介で迷走した末に知人税理士に落ち着いた理由と、会計ソフト課金せずスプレッドシートで回している運用のリアルを書きます。

副業禁止の会社員として本業を続けながら、妻名義の合同会社で2棟目を持っている「さる」と申します。

法人を作ろうとしている人や、作った直後の人によく聞かれる質問があります。

1期目って、結局なにに一番苦労しましたか?

私のなかで答えは明確で、**「税理士選び」と「期中の帳簿付け」**の2つです。

設立費用や決算費用の話は、ネットで調べればだいたい相場が出てきます。司法書士に頼めば設立は数日で終わるし、決算は税理士に渡せば形になる。**じゃあ何が大変なのかというと、その手前の「人と仕組みのマッチング」**でした。

今回は、法人1期目で実際に私が詰まった2つの壁——税理士マッチと期中の帳簿付け——について、ネット記事ではあまり書かれない部分を中心に書きます。これから法人化する副業禁止サラリーマン大家の参考になれば。

結論:1期目を回すために必要だったのは、紹介ASPでも会計ソフトでもなかった

先に結論を書いておきます。

私の妻名義の合同会社は、設立から1年強が経ちました。1期目を振り返ったときに「これが効いた」と感じたのは、

  • 税理士は設立から2ヶ月以内に決める(早ければ早いほど期中相談ができる)
  • 不動産専門×妻名義法人×副業禁止サラリーマンを理解する税理士に頼む(安さじゃなくアナログの相性)
  • 会計ソフトに課金せず、スプレッドシートで期中の数字を持つ(中級者なら十分)

の3つでした。

特に最後の「税理士は知人に頼んだ」「期中はスプレッドシート」のあたりは、ネット記事の主流と少し外れています。法人化のテンプレ通りに動いてもうまくマッチしないのは、副業禁止サラリーマン大家の事情がわりと特殊だからだと思います。

設立から2ヶ月後に税理士を契約した

時系列から書きます。

私は妻名義の合同会社を立ち上げた直後ではなく、設立から2ヶ月ほど経ったタイミングで税理士契約をしました。

設立直後の数週間は、銀行口座の開設や物件の決済、登記まわりの後処理で時間が取られていて、税理士のことまで手が回りませんでした。立ち上げ期のサラリーマン大家あるあるだと思います。

ただ、結果から言うと2ヶ月は遅すぎず早すぎず、ちょうど良かったと感じています。

理由は3つあります。

ひとつ目は、期中の経費判断について早い段階で相談できたこと。設立直後の数ヶ月は何でも経費にしていいのか分からない時期で、ここで「これは法人経費に入れていい」「ここは個人持ち」を判断軸として持っておくと、その後の領収書整理が圧倒的にラクになります。

ふたつ目は、決算月に向けた「逆算」が早めにできたこと。法人税務は決算3ヶ月前から動いて間に合うかどうかなので、設立直後にスタートしておくと精神的に余裕が持てます。

3つ目は、設立直後の判断ミスを早めに巻き戻せること。「これは経費にしておけばよかった」「決算月をずらせばよかった」という後悔が出てくるのは、たいてい1〜2ヶ月運用してからです。3ヶ月以上ずれ込むと巻き戻しがきかない。

設立してから半年以上経ってから税理士を探す人もいますが、遅らせるほど期中の判断が手探りになると思います。

税理士選びはネットと紹介で迷走した

問題はここからでした。

「不動産特化の税理士」「副業禁止サラリーマン大家に強い税理士」をネットで探すと、それなりに情報は出てきます。Googleで検索すれば事務所のサイトが並んでいるし、税理士紹介マッチングサービスや、不動産投資系のASP経由で紹介してもらうルートもあります。

私もまずはここから動きました。

ネット検索で詰まったところ

最初に詰まったのは、「不動産専門」と謳っている事務所が多すぎることです。

サイトを見ると、どの事務所も「不動産投資家を多数支援」「節税ノウハウ豊富」と書いてあります。実際に問い合わせてみると、

  • 個人投資家の確定申告は得意だが、法人決算は別チームでやっている
  • 法人税務はやるが、合同会社よりも株式会社の経験が中心
  • 節税には強いが、副業禁止サラリーマンの「節税しすぎない」設計の話は通じにくい

——というふうに、マーケで言う「不動産専門」と、実態が必ずしも一致しないケースが多かった。

事務所のサイトでは判別できない部分が大きすぎて、ここで何件か面談した時点で「ネット検索ベースだと相性のいい税理士には届かない」と感じ始めました。

紹介ASPで詰まったところ

次に試したのが、税理士紹介マッチングのサービスです。これも記事でよく勧められているルートです。

メリットは、複数の税理士事務所を一括で紹介してもらえる点。デメリットは、紹介を受ける側が「自分の特殊性をうまく言語化できない」と、的外れな事務所を紹介されがちな点でした。

私のケースだと、

という前提を、初対面の税理士に5分で説明するのは正直難しい。

紹介された税理士のうちの何人かは「副業禁止」の文脈をうまく汲んでくれず、「役員報酬を取って所得分散しましょう」「節税のためにこの経費も入れましょう」という、普通の節税アドバイスで押してきました。これは正攻法としては正しいんですが、副業禁止サラリーマンには使えない手です。

ここで、ネット・紹介ASPだけだと、自分の特殊性を理解してくれる税理士には届きにくいと気付きました。

最終的に「知人の税理士」に頼んだ

最終的に契約したのは、もともとの知人だった税理士でした。

不動産専門ではなかったし、紹介ASPで出てくる「節税に強い」「不動産投資家多数」みたいな打ち出しもしていない人です。ただ、

  • 私の本業・属性・家庭の事情をある程度知っている
  • 妻名義の合同会社にしたい意図を、説明1回で理解してくれた
  • 「節税しすぎない」「副業禁止のリスクヘッジ重視」という方向性に違和感を持たなかった
  • 顧問料の話を最初の面談でクリアに出してくれた

——という、初対面の税理士には期待しにくい部分が最初から揃っていました。

安さで選ばなくてよかった

正直、料金だけで言えば、もっと安く請けてくれる事務所はネット上にいくつもありました。月額1万円台、決算込みで年20万円以下、というラインも見ました。

ただ、法人1期目の税理士で「安さ」を最優先するのは、たぶん危ないというのが今の感覚です。

理由は単純で、1期目はこちらが何を聞けばいいかも分からない状態だからです。「期中相談し放題」と謳っていても、こちらが質問すべき論点を持てていないと、相談が始まらない。質問に答えてくれるだけの税理士だと、こちらの設計ミスを取りこぼします。

知人税理士は、こちらが質問できていないところまで「これ大丈夫ですか?」と先回りで指摘してくれることがあって、これが安さでは買えない価値でした。

アナログの相性が結局効く

法人税務という、もっともデジタル・数字寄りの領域でも、最後に効くのは「人と人との関わり」というアナログの部分だったというのが個人的な結論です。

  • 副業禁止というセンシティブな前提を雑談ベースで共有できる
  • 妻名義法人の運営方針を「節税どうのこうの」ではなく、家族の事情として理解してもらえる
  • 期中に「こんなことあったんですけど」とLINEで雑に相談できる

このあたりは、面談でスペック比較しても出てこない領域です。

不動産特化の税理士は確かに強いですが、「特化」より「相性」が回せるかどうかを左右する——これが副業禁止サラリーマンの妻名義法人スキームでの個人的な答えでした。

「不動産投資で税理士は必要か」では税理士を頼む基準を書きましたが、その基準を満たした上で「誰に頼むか」のレイヤーは、また別の難しさがあります。

期中の帳簿付けはスプレッドシートで回している

税理士を決めた後の壁が、期中の帳簿付けです。

ネットで法人化記事を読むと、たいてい「freee」「マネーフォワード」「弥生会計」あたりの会計ソフト導入が前提で書かれています。月額数千円〜1万円ぐらいの課金が必要です。

私はこれを全部スキップして、Googleスプレッドシートで管理しています。

スプレッドシートで足りた理由

サラリーマン大家の規模感(個人1戸+法人1棟10室)だと、月の取引件数はせいぜい数十件です。家賃入金、管理費、固定資産税、設備修繕、税理士顧問料、Amazonで買った大家業務関連の備品、サロン会費——このぐらいで、会計ソフトの自動連携機能が必要なほどの量にはなりません。

スプレッドシートでも、

  • 日付・摘要・勘定科目・金額・課税区分・備考の列で1シート
  • 月ごとにシートを分ける(or 通年1シートで月集計)
  • 領収書はDropboxにスキャンして保管、シート側にリンクを貼る

ぐらいの設計で、期中は十分回ります。

決算時には、税理士にスプレッドシートをそのまま共有して、先方が会計ソフト(弥生)に転記してくれる運用になっています。これが税理士事務所側のフローと噛み合うかどうかは事前に確認したほうがいいですが、相性が合えばこのほうが私の側のコストは低い。

スプレッドシート設計でいちばん詰まったこと

ただし、設計の最初は地味に詰まりました

具体的に何に困ったかというと、

  • 科目(勘定科目)の決め方:「修繕費」「消耗品費」「支払手数料」「会議費」あたりの境界がよく分からない。あとから税理士の助言で再分類した
  • 列の設計:最初は「日付・金額・摘要」だけにしたら、決算時に税理士から「課税区分はどれですか」と聞かれて全部見直すハメになった
  • 個人カードと法人カードの混在精算:法人カードを作る前に、個人カードで法人経費を立て替えていた時期があって、これの精算が一番ややこしかった
  • 領収書の物理管理:紙とPDFが混ざる。Amazonの注文履歴、楽天の購入履歴、紙のレシート、メールの請求書PDF——全部別ルートで来る

このあたりは、スプレッドシートだから詰まったというより、法人1期目あるあるの混乱だと思います。会計ソフトを使っても科目決めや混在精算の悩みは出ます。

ただ、スプレッドシートの場合は自分で設計する自由度が大きい分、最初の混乱は大きい。これは正直なデメリットです。

個人カードと法人カードの混在精算が一番きつかった

期中で一番ストレスだったのが、個人カードと法人カードの混在精算でした。

法人カードは設立直後すぐには作れないので、最初の数ヶ月は個人カードで法人経費を立て替えるしかない時期があります。これを後から「役員借入金」として法人で精算する処理が必要で、ここの記録が雑だと決算で詰む

私は最終的に、「立て替えた分はその場でスプレッドシートに記録、月末に集計して法人口座から自分の個人口座に振り替える」というルールに落ち着きましたが、最初の数ヶ月はこのルールが定まっていなくて、何ヶ月かまとめて精算するハメになりました。

法人化を考えている人は、法人カードを早めに作っておくのと、立替精算ルールを設立直後に決めておくことを強くおすすめします。

経費の按分ルールについては別記事の「YouTubeもサロン会費も経費にしている|大家の経費は個人ミニマム・法人集中で運用」に整理してあるので、合わせて読んでもらえると流れが繋がると思います。

これから法人化する人へのアドバイス

最後に、これから妻名義法人を作る副業禁止サラリーマン大家の人に向けて、1期目で得た学びをまとめます。

  • 税理士は設立から1〜2ヶ月以内に決める:遅らせるほど期中の判断が手探りになる
  • 「不動産特化」より「自分の特殊性を理解してくれる人」を優先:副業禁止×妻名義法人×業務執行しない社員は、ネット検索ではマッチしにくい
  • 紹介ASPは選択肢のひとつ。最後は人の繋がりが効く:知人・友人・先輩大家の紹介ルートを開けておく
  • 顧問料は安さで決めない:1期目は「先回りで指摘してくれるか」が一番効く
  • 会計ソフトは課金しなくていい場合が多い:スプレッドシートで月数十件は回る
  • 法人カードを早めに作る:個人カードでの立替精算は1期目最大のストレス源
  • 領収書は1日単位でスプレッドシートに入れる癖をつける:「あとでまとめて」は破綻する

法人化は、設立してからが本番です。設立費用15万円の話(「妻名義の合同会社で法人化した理由」)や、業務執行しない社員の制度(「副業禁止でも法人を持てる」)、家族の合意(「妻名義法人を即決OKしてもらった話」)は前段の話で、その後の1年をどう回すかが本来の難しさだと感じています。

不動産投資をきっかけに法人化するなら、税理士紹介マッチングサービスやASP経由の紹介ルートも一度は当たってみる価値はあります。複数候補を並べて比較した経験自体が、「自分はどんな税理士と相性が合うか」を言語化する助けになりました。

ただ、最終的に契約するのは「人と人との関わりが取れる相手」になる確率が高い——これが私の1期目の正直な答えです。

スプレッドシート運用の中身や、決算時に税理士とどうやり取りしているかは、また別の記事で書く予定です。

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