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妻名義法人を即決OKしてもらった話|マネリテ事前仕込みが家族会議より効いた
法人スキーム

妻名義法人を即決OKしてもらった話|マネリテ事前仕込みが家族会議より効いた

副業禁止サラリーマンが妻名義法人を持ちかけたとき、妻に即決OKしてもらえた理由を書きます。家族会議で説得するより、日常のマネリテ仕込み(NISA・家計簿・本/YouTube)の方が効いた、という個人的な結論です。

副業禁止の会社員として本業を続けながら、妻名義の合同会社で2棟目を持っている「さる」と申します。

「妻名義で法人を作る」というスキーム自体は、副業禁止サラリーマン大家のあいだではほぼ定番の解になっています。私もそれで2棟目を買いました。

ただ、SNSや記事で目にする質問でいちばん多いのが、

で、奥さんはOKしてくれたんですか?

という、制度ではなく家族の合意形成の話です。

正直、ここで詰まる人はかなり多いと思います。仕組みは理解できても、自分の妻に「君の名前で会社を作りたい」と切り出すのは別の難易度がある。

私の場合、結論から言うと妻は即決でOKでした。家族会議のような重い場も用意していません。「こういうのやろうと思うんだけど」「いいよ」で終わりました。

でも、これは私たち夫婦の相性が良かったとか、妻が無関心だったという話ではありません。即決OKを引き出すために、その前の1〜2年で仕込んでいたことがあります。

今回は、副業禁止サラリーマンが妻名義法人をスムーズに通すために、私が結果的にやってよかった「家族会議より前の仕込み」の話を書きます。

結論:家族会議より、日常のマネリテ仕込みが効いた

先に結論を書いておきます。

私が妻名義法人を即決OKしてもらえたのは、

  • 家族会議で時間をかけて説得した
  • 利回りや税効果を表計算ソフトで提示した
  • 不動産業者を交えて説明会をした

——のような「会議の質」ではなく、1〜2年前から日常的にマネーリテラシーを上げてもらっていたからだと考えています。

具体的にやっていたのは、

  • NISAで自分の口座を持たせる(つみたてNISA)
  • 家計簿アプリで家計の見える化(マネーフォワード)
  • 不動産投資の本やYouTubeを共有(無理に読ませず、面白い回だけ流す)

この3つを、特別な目的を伝えずに「家計の管理として普通のこと」として淡々と回していただけです。

法人化を切り出した瞬間に妻が即決できたのは、その時点で「夫がお金回りでまともに考えている人」「自分も金融商品を持ったことがある」「不動産投資という選択肢の存在は知っている」という土台が、もう全部できていたからでした。

法人化を切り出したのは「2棟目検討の入り口」だった

時系列を整理します。

私が妻名義法人の話を妻に最初にしたのは、1棟目(戸建B)を買って数ヶ月後のことでした。

このタイミングで動かないといけなかった理由は、ふたつ重なっていました。

ひとつ目が、戸建Aの紹介料200万円をどう受け取るか問題です。

戸建Aは契約まで進めたあと、これは素人が運営するには重すぎると判断して、宅建業者に紹介料200万円付きで流すことを決めていました(このあたりの経緯は「業者が群がる物件は素人には重い|契約後に流した戸建Aと紹介料200万の話」に書いています)。

紹介料200万円を個人で受け取ると、雑所得や事業所得として高い税率で抜かれる。法人で受け取れれば、損金と相殺したり、内部留保にして次の物件の頭金にまわせる。**「いつ法人を作るか」ではなく「200万を受ける前に法人がないと話にならない」**という、急ぎの動機がそこにありました。

ふたつ目が、アパート拡大時に個人融資が詰まる構造です。

1棟目の戸建Bを個人で買った時点で、私の個人属性での借入余力はそこまで残っていませんでした。2棟目で築古アパート1棟を買おうとすると、個人だと融資が引けない。これは銀行にあたって早い段階で見えていました(「銀行に売買投資には融資しないと言われた話」も参考)。

妻名義法人で借りる、というルートを取らないと、2棟目の話自体が前に進まなかったわけです。

妻に切り出したときのリアクション

この状況を妻に話したとき、私が予想していたのは、

  • 「会社作るのって責任重くない?」
  • 「私の名前で借金するの怖くない?」
  • 「副業禁止でそこまでやって大丈夫?」

あたりの慎重なリアクションでした。

実際に返ってきたのは、

「いいよ」

だけです。

拍子抜けするほどあっさりしていて、こちらが用意していた説明資料はほぼ使いませんでした。妻の感覚としては、「夫がやりたいって言ってるなら、自分の名前を貸すぐらい別にいい」というレベルの、ほぼ事務手続き扱いだったようです。

その場では「ありがたい」と思っただけだったのですが、あとで振り返って、なぜここまでスムーズに通ったのかを考えました。

なぜ即決だったか:1〜2年の仕込みが効いていた

妻のマネーリテラシーは、結婚した当初は正直そこまで高くありませんでした。よくある「お金の話は苦手」「投資は怖い」というスタートラインからの夫婦です。

ただ、結婚してから1棟目を買うまでの間、私は妻に対して「お金の話を日常会話の延長で扱える状態」を作る作業を地味に続けていました。

具体的にやっていたのが3つです。

1. NISAで自分名義の口座を持たせた

最初にやったのが、つみたてNISAを妻名義で開設することでした。

これがいちばん効きました。理由は単純で、妻が自分の口座で値動きを見るようになるからです。

それまで「投資=怖い」「株=ギャンブル」だったものが、「自分のNISAは去年から+12%になっている」「米国株インデックスは長期で右肩上がり」という、自分ごとの数字に変わる。これだけで、お金の話に対する心理的な距離が一気に縮まります。

ポイントは、夫が代行しないことです。証券口座は妻自身に開いてもらい、商品選択も最低限のアドバイスだけ伝えて、本人に決めてもらう。これで「自分の判断で投資した」というオーナーシップが生まれます。

2. 家計簿アプリで家計を見える化した

ふたつ目が、マネーフォワードで家計の全口座をまとめて見られる状態にしたことです。

これは投資というより、家計管理の話です。ただ、副次的な効果として「お金の話を夫婦で月1回ぐらい普通にする」習慣ができます。

「今月、食費これだけ?」「ローンの繰上返済どうしよう?」みたいな雑談が日常会話に入ってくると、お金まわりに対する妻のアレルギーが消える。法人化のような大きな話を切り出すときに、その下地があるかどうかは決定的です

家計簿アプリは無料版で十分でした。完璧に分類しようとせず、「全口座の残高が一目で見える」状態だけ維持していれば足ります。

3. 不動産投資の本やYouTubeを「面白かった回」だけ共有

3つ目は、不動産投資の情報を、押し付けずに少しずつ流すことです。

ありがちな失敗パターンが、「これ読んで」と本を渡したり、長尺のYouTubeを一緒に見ようと提案することです。これをやると、たいてい嫌がられます。お金の勉強を強制されるのは、誰にとっても重い。

私がやっていたのは、

  • 自分が読んで面白かった本の章を、晩ごはんの雑談で要約して話す
  • ウラケン不動産・木下たかゆきさんなどのYouTubeで「これ面白かったよ」と言って5分だけ見せる
  • 楽待・健美家の物件画像を「こういうの売ってるんだよ」と見せる

ぐらいの軽い接触です。

これを1年以上続けると、妻側に「不動産投資という世界がある」「夫はそこに関心がある」という前提知識がたまります。法人化の話を切り出した時点で、ゼロから説明する必要がなくなる。

妻に響いた決め手は「リスクヘッジ」と「個人融資の限界」

即決ではあったものの、私の側で説明として準備していたポイントは、最終的に2つだけでした。

副業禁止のリスクヘッジ

ひとつ目が、「副業禁止の会社員が、本業を守りながら不動産投資を続けるには、妻名義の法人を作るしかない」というロジックです。

私の名義で法人を作ると、登記簿に名前が出る・住民税が変わる・本業バレのリスクが高くなる。妻名義で作って、私は「業務執行しない社員」で参画すれば、登記簿に私の名前は出ない。本業を失うリスクを最小化できる。

これは妻自身も「夫が本業をクビになると家計が一番困る」と直感的に分かっているので、納得しやすいロジックでした。

個人融資が詰まる構造

ふたつ目が、「1棟目(戸建B)を個人で買った時点で、私の個人属性ではアパート融資は引けない」という構造の話です。

これは銀行員から実際に「個人では出ない」と言われた事実があったので、感覚値ではなく銀行の判断として説明できました。法人で借りるしかない以上、その法人を妻名義にする以外の選択肢がない、という整理ができます。

「夫の名義で借りられないから妻の名義で」という説明は、それだけ聞くと不安を煽りますが、1棟目をすでに持っている事実と組み合わせると、自然な拡大戦略として理解されます。

フルタイム正社員の妻でも回せた設計

ここから少し制度寄りの話です。

私の妻はフルタイムの正社員で、本業を持っています。「妻名義法人」と聞くと専業主婦をイメージする人が多いと思いますが、正社員フルタイムの妻でも回せる設計は十分可能です。

我が家の役割分担は、ざっくりこうなっています。

  • 代表社員:妻(登記簿に名前が出る)
  • 業務執行社員:妻のみ(建前上、業務判断は妻)
  • 業務執行しない社員:私(出資99%・議決権99%、登記簿に名前は出ない)
  • 実務:ほぼすべて私(口座管理・物件判断・税理士やりとり・契約サインの段取り)
  • 役員報酬:妻には支払っていない

ポイントは、役員報酬を妻に出していないことです。

正社員フルタイムの妻に役員報酬を払うと、住民税の通知から本業の会社にバレるルートが新しく開きます。社会保険の扶養を外すかどうかの議論も発生する。妻の本業を守るためには、最初から無報酬にしておくのが一番シンプルでした。

このあたりの考え方は「節税しすぎると次が買えない」「副業禁止でも不動産投資がバレない理由」とも繋がっています。

実務もほぼ私が握っているので、妻の負担は「たまに書類にサインする」「銀行に同行する」ぐらい。フルタイム勤務の合間に時間を取らせる必要はほとんどありません。

1年運用してみて、摩擦はゼロ

法人化してから1年強が経ちます。

率直に書くと、妻からのクレームや不満はゼロです。

「書類サインが面倒」「銀行訪問のプレッシャーがきつい」「自分の名義で借金が怖い」みたいな話は、いまのところ一度も出ていません。

これは妻の性格もあると思いますが、それ以上に事前にマネリテ仕込みをしていたからだと考えています。

NISAで「自分のお金が運用される」感覚を持っていて、家計簿で「家庭のお金の動き」を見ている。不動産投資が世の中に存在することも知っている。そういう状態の妻にとって、法人を持つことは『家庭の財布の延長線上』にある作業であって、特別なリスクには感じない。

逆に言うと、ここを仕込まずに「いきなり法人作りたい」と切り出していたら、たぶん何度か家族会議が必要だっただろうなとは思います。

これから妻に話す人へのアドバイス

最後に、これから妻に妻名義法人を切り出す副業禁止サラリーマンの人に向けて、私の経験から言えることをまとめます。

  • 家族会議で一発逆転しようとしない:会議の質よりも、日常の積み上げで決まる
  • NISAから始める:投資に対する心理的距離をいちばん下げてくれる手段
  • 家計簿アプリで「お金の話を雑談化」する:法人化のような大きな話の下地になる
  • 不動産投資の情報は押し付けない:本を渡すより、雑談で1エピソード共有
  • 役員報酬は最初から無報酬で設計する:妻が正社員ならとくに重要
  • 業務執行しない社員で登記から名前を消す:本業を守る最低条件

切り出すタイミングは、戸建Aの紹介料のような「法人がないと困る具体的な事情」が出てきた瞬間がいいと思います。抽象的に「将来のために」と言われるより、「いまこの200万を受けるために必要」と言われたほうが、家族としては動きやすい。

合同会社の作り方や設立費用の実額については「妻名義の合同会社で法人化した理由|設立費用15万円の内訳」に、業務執行しない社員という立ち位置については「副業禁止でも法人を持てる|業務執行しない社員で登記に名前が出ない仕組み」に、それぞれ詳しく書いています。本店所在地でつまずく場合は、自宅・実家・バーチャルの3択比較を「妻名義法人の登記住所、結局どこにするか問題」に、バーチャルオフィスを選ぶ前提で3社(GMO・METS・リージャス)を比較した記事を「妻名義法人のバーチャルオフィス、結局どこがいい?」に書きました。

法人化に踏み切るとなると、設立手続きや顧問税理士の選定が次の一歩になります。私は司法書士に依頼しましたが、いまはオンラインで完結する法人設立サービスもかなり増えてきていて、副業禁止サラリーマンの匿名性を保ちながら進められる選択肢もあります。税理士についても、不動産専門の税理士をASP経由で紹介してもらうと、最初の決算で詰まる確率がかなり下がります(このあたりは別記事で詳しく書きます)。

家族会議で説得するより、日常のマネリテ仕込み。妻名義法人で詰まっている人に、いちばん伝えたい話でした。

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