YouTubeもサロン会費も経費にしている|大家の経費は個人ミニマム・法人集中で運用
副業禁止のサラリーマン大家が、個人と法人の2軸で物件運営する中でどう経費を計上しているか。個人ミニマム・法人集中の運用、按分の考え方、グレーゾーンを税理士に丸投げする判断軸を実体験で書きます。
副業禁止の会社員として本業を続けながら、妻名義の合同会社で2棟目を持っている「さる」と申します。
「YouTubeプレミアムって経費にできるの?」「不動産サロンの月額費用は?」――不動産投資を始めると、誰もが一度は迷う質問だと思います。私も最初は手探りでした。
結論から書くと、私は YouTubeプレミアムも不動産サロンの会費も、法人で経費計上しています。ただ、それを自分の判断でやっているかというと、そうではない。顧問税理士に丸投げして、判断はすべて任せています。
今回は、副業禁止のサラリーマン大家として個人と法人の2軸で物件を運営する中で、どう経費を切り分けて運用しているか。その実態を、できるだけそのままの感覚で書いていきます。
結論:個人ミニマム、法人で集中計上
私の経費運用方針は、ひと言でいうとこうです。
個人の確定申告は最小限に、法人で集中して経費を計上する。
個人で持っている戸建て1棟は、ローン金利・固定資産税・減価償却・管理委託費といった、物件に直接ひもづく経費だけを素直に計上しています。書籍代も通信費も、個人ではほぼ計上していません。
一方で、法人(築13年木造アパート10戸を運営)は、書籍・YouTubeプレミアム・不動産サロンの会費・AIツール・税理士費用・物件視察の交通費・接待費・通信費まで、事業に関わるものはほぼ法人に集めている形です。
なぜこうしているか。理由は3つあります。
個人ミニマム・法人集中にしている理由
理由1:個人をシンプルに保ちたい
副業禁止の会社員として、個人の確定申告はできるだけシンプルにしておきたい。本業の給与所得との損益通算がややこしくなると、確認のために時間も気力も持っていかれます。物件直接費だけに絞れば、毎年の確定申告はほぼ流れ作業で終わります。
会社員大家にとって、確定申告のたびに3日も4日も時間を取られるのは現実的ではありません。本業を続けながら大家業を回すには、簡素化できるところは徹底的に簡素化する。これが私の基本姿勢です。
理由2:法人の方が経費判定の幅が広い
法人で計上する方が、事業性が認められやすい経費の幅が広いのが現実です。
たとえばYouTubeプレミアム。個人の不動産投資で経費にしようとすると、「本当に事業に必要?」と問われたときに説明が苦しくなる。でも法人で「賃貸事業の情報収集ツール」として位置付ければ、月額1,000円程度の費用は素直に経費として通る。
接待費も同じです。個人で仲介業者と食事をしても、本当にその物件のための経費なのかが曖昧になる。法人なら「法人の事業活動として仲介業者・管理会社と関係構築している」という形で、迷いなく計上できます。
理由3:税務処理を税理士にまとめて任せられる
法人を作ると顧問税理士をつけることが多いと思います。私の場合、月15,000円+決算料60,000円で年24万円ほどの顧問契約です(このあたりは「不動産投資で税理士は必要か」に書きました)。
経費の判定や按分計算を税理士にまとめて任せられるのが、法人集中の最大のメリットです。私は領収書・請求書をクラウド会計に上げるだけで、判定は税理士が「これは経費OK」「これは個人で落として」と振り分けてくれる。
迷ったら税理士に相談、グレーゾーンも判断を委ねられる。これだけでも顧問契約の価値は十分に出ています。
法人で計上している経費カテゴリ
具体的に、私の法人で計上している経費は次の8カテゴリです。
- 書籍・雑誌:不動産投資本、健美家・楽待のコラムサブスクなど
- 動画サブスク:YouTubeプレミアム、Netflix の一部
- 不動産サロン・コミュニティ会費:オンライン勉強会の月額
- AIツール:ChatGPT、Claude などの有料プラン
- 税理士・司法書士など専門家への支払い
- 物件視察の交通費・宿泊費
- 接待費:仲介・管理・信金・税理士との会食
- 通信費:スマホ代・自宅Wi-Fi(事業按分)
このうち、接待費の比重が思っているより重いのが法人運営の特徴かもしれません。仲介業者・管理会社・信用金庫の担当者・税理士との関係構築は、不動産賃貸業の中核に近い活動です。1回の単価は数千円から、商談がからむときで数万円まで幅があります。
接待費は「使えば使うほど経費になる」というより、事業上必要な範囲で淡々と積み上がる感覚です。年間で見るとそれなりの金額になりますが、これが信金との関係維持や次の物件情報につながっていると思えば、無駄な出費だとは感じません。
按分が必要な経費は実態ベースで決める
経費の中でも、事業使用と私的使用が混ざるものは按分が必要になります。私の場合、典型的なのは通信費と車両費です。
通信費
スマホと自宅Wi-Fi費用は、事業使用と私的使用が混ざるので一定割合で按分します。法人の物件運営、税理士・管理会社との連絡、物件情報の確認、AIツールの利用などで日常的にスマホを使っているので、ここはそれなりの比率で計上できる。
車両費
車は物件視察、信金訪問、修繕業者との打ち合わせなどで使います。家族の私的利用と混在するので、ここも家族の使用実態に応じて按分しています。車検・点検・タイヤ交換・ガソリン代、すべて同じ按分率で処理。
按分率はどう決めるか
按分率は実態に即して税理士に決めてもらいます。「事業で何割使っているか」を実態ベースで見て、無理のないラインに落とす。攻めすぎず、守りすぎず、実態と説明可能性のバランスで決まる感覚です。
ここを自分で決めず税理士に判断を委ねるのがポイントです。後から税務調査が入っても「税理士の判断でこの按分率にした」と説明できる方が、心理的にも構造的にも安全です。
住居・水道光熱費は計上していない
ちなみに、住居の家賃や水道光熱費は経費計上していません。
「自宅の一部を事務所として按分すれば計上できる」という意見はあるのですが、私は計上しない方を選んでいます。理由はシンプルで、そこまで攻める必要を感じていないし、按分の根拠が説明しにくくなるから。物件管理は基本クラウドで完結するし、専用の事務スペースを確保しているわけでもない。
ここは「経費として落とせるかどうか」より、「説明できるかどうか」を基準にしています。
グレーゾーンは税理士に丸投げで判断する
経費判定でいちばん時間を食うのは、グレーゾーンの線引きです。
- この出費は経費か?
- 按分するなら何%か?
- 領収書がないけど計上できるか?
- どの勘定科目に入れるか?
これらを自分で1個ずつ調べて判断していると、本業も物件運営も止まります。なので私は、判断は全部税理士に振っている。クラウド会計に領収書・請求書を月単位で上げて、判定は税理士に任せる。「これは経費OK」「これは個人で落として」「これは按分50%で」と返ってきます。
「攻めの経費計上をしたい」「もっと経費を増やしたい」という相談はしていません。私が税理士に求めているのは、実態に即した正しい処理であって、節税の最大化ではない。節税よりも内部留保を優先する考え方は「節税しすぎると次が買えない」に書いた通りです。
自分で線引きしない方が、結果的に安全で早い
不動産投資で法人化を検討している方には、経費判定は自分で線引きしない方がいいと伝えたいです。
理由は3つあります。
- 判定の正確性:税理士は最新の判例・通達を見ている。素人が調べた情報より圧倒的に確度が高い
- 時間の節約:経費判定で1時間悩むなら、その時間を物件探しや融資交渉に使った方が成果が出る
- 説明可能性:税務調査が入っても「税理士判断」と返せる構造の方が、構造的に強い
法人化と顧問税理士はセットで動いた方が早い。これが、副業禁止の会社員大家として2年運営してきた私の結論です。
法人化のタイミングや必要性で迷っている方は、「不動産投資で税理士は必要か」と「サラリーマン大家が法人化するベストタイミング」を合わせて読んでもらえると、私が考えている全体像が見えると思います。
まとめ
私の経費運用は、こんな形に落ち着いています。
- 個人:物件直接費だけ、確定申告はシンプル
- 法人:事業に関わる経費を集中計上(書籍・動画・サロン・AI・専門家・視察・接待・通信)
- 按分:実態ベースで税理士に決めてもらう
- 住居・光熱費:計上しない(説明しにくいので避ける)
- グレーゾーン:自分で線引きせず、税理士に丸投げ
YouTubeプレミアムも不動産サロン会費も、法人で経費にできます。ただ、それを自分の判断でやるのと、税理士に任せるのとでは、長期的な安全性が全然違う。
経費判定で迷うのは、最初は誰でもそうです。1人で抱え込まず、早めに顧問税理士をつけて全部任せるのが、結局はいちばん早いし安全だと思います。
さる
副業禁止のサラリーマン大家 / 法人スキーム実践中
30代の会社員。築古戸建で個人購入 → 妻名義法人で2棟目を取得。 法人融資で3棟分契約解除という授業料を払った経験から、 融資・節税・物件管理の「数字と戦略」をリアルに発信しています。
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