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内覧なしオーナーチェンジの戸建を450万で買った話|土地値以下・出口更地の判断軸
物件選定

内覧なしオーナーチェンジの戸建を450万で買った話|土地値以下・出口更地の判断軸

築46年の木造戸建を内覧なし・オーナーチェンジで450万円。紹介から10分後に現地へ行って即決した判断軸を、土地値・出口・入居者属性の観点から書きます。

副業禁止の会社員として本業を続けながら、妻名義の合同会社で2棟目を持っている「さる」と申します。

私が個人名義で持っている戸建は、不動産屋からの紹介電話を受けてから10分後に現地に着き、内覧もせずに買う判断をした物件です。価格は450万円。築46年(昭和53年築)、木造、住宅地の一軒家。オーナーチェンジ(入居者付きの状態で所有者だけが代わる売買)だったので、室内には一歩も入っていません。

「内覧なしで決めるなんて怖くないですか」とよく言われます。怖くなかったかと聞かれれば、それなりに怖かった。ただ、買ったあと2年経った今もトラブルはゼロで、毎月手元に1万円ずつ残り続けています。

今回は、なぜ内覧せずに即決できたのか、どこを見て判断したのか、どこが弱点だったのかを、できるだけ正直に書きます。築古戸建を狙っているサラリーマン投資家の方の参考になれば。

結論:内覧なしで買えたのは3つの条件が揃っていたから

先に結論を書いておきます。

私が内覧なしで決めたのは、勘でも勢いでもなくて、以下の3つが事前に確認できていたからです。

  1. 購入価格が近隣の土地実勢価格より明確に安かった(出口が見える)
  2. 入居者がすでに2年以上住んでいて、属性的に退去リスクが低そうだった
  3. 入居者がセルフ修繕してきた家庭で、自分側の修繕コストがほぼ発生しない見込みだった

このうち1つでも欠けていたら、たぶん買っていない。逆に、この3点が揃っているのを電話の段階である程度確認できたので、現地で外観と土地の条件をチェックしてOKを出した、というのが実態です。

物件スペック

念のため、物件の数字をまとめておきます。

項目数値
構造・築年数木造・昭和53年築(築46年)
立地地方都市の住宅地
購入価格450万円
月額家賃5万円
月額返済額約4万円
月額キャッシュフロー約1万円
表面利回り約13%
取得方法オーナーチェンジ(内覧不可)

数字だけ見ると「築46年でCF1万円か」という感想が出るはずです。私もそう思います。これだけ見れば、決して魅力的な物件ではありません。

ただ、この物件の本質は毎月のキャッシュフローではなくて、出口で取り返せる構造にあります。そこは後ほど詳しく書きます。

紹介の電話を受けてから10分後

私はこの物件を、懇意にしている不動産屋からの紹介で知りました。

電話がかかってきたとき、私はたまたまその物件のすぐ近くにいました。仕事の移動の合間で、車で5〜10分の距離。

電話で話を聞いた段階で、ざっくり以下を確認しています。

  • 価格(450万円)
  • 築年数(築46年・木造)
  • 入居者の有無と属性(高齢のご夫婦・10年以上同じ家賃で住み続けている)
  • 家賃(5万円)
  • 過去の修繕履歴(オーナー側が手を入れた記録はほぼなし、入居者がセルフで対応)
  • 売却理由(前オーナーの整理)

ここまで聞いて、頭の中で土地の坪単価を計算しました。土地が広めの一軒家で、近隣の坪単価から逆算すると、土地だけで購入価格を超えそうだった。

「行きます」と返事をして、10分後に現地に着きました。

内覧できない代わりに、外から徹底的に見た

オーナーチェンジ物件の最大の制約は、室内が見られないことです。これは怖い。シロアリ・雨漏り・配管の劣化・床の腐食、室内に入らないと分からないリスクは無数にあります。

ただ、室内が見られなくても、外から分かる情報は意外と多い。

私が現地でチェックしたのは以下です。

  • 外壁・屋根の状態:明らかな雨漏り跡や大きな亀裂がないか
  • 基礎のひび割れ:シロアリ被害や地盤の沈下を疑う必要があるか
  • 庭・敷地の管理状態:入居者が建物を大事に使っているか
  • 隣地との境界:ブロック塀や植栽の問題がないか
  • 前面道路の幅員と接道:再建築の可否、出口での売りやすさ
  • 周辺の家との比較:この一軒だけが浮いていないか

特に重要だったのは、周辺の家と比べて土地が広いことでした。住宅地の中で、この物件だけが他の家より明らかに広い区画。これは出口戦略を考えたときに、解体して更地で売るか、もしくは分筆(土地を2つに分ける)するかの選択肢が増えるという意味で大きい。

外観の劣化は築46年なりにあったものの、基礎・外壁・屋根は致命的なレベルではなかった。庭の手入れもされていて、入居者が建物を雑に扱っている雰囲気はない。

ここで「買う」という腹は、ほぼ決まりました。

利回りより「出口」を先に計算した

築古戸建を見るとき、ほとんどの投資家は最初に利回りを計算します。家賃÷購入価格×12。私もそれは見ます。

ただ、この物件で私が最初に計算したのは利回りではなくて出口でした。

具体的にやったのは以下です。

  1. 近隣の土地売買実績を業者に問い合わせる:直近の取引事例を3件ほど見せてもらう
  2. その物件の土地面積から、坪単価で実勢価格を逆算する
  3. 解体費用を引く(木造戸建の解体は地方都市で100〜150万円)
  4. 諸費用を引く(仲介手数料・登記費用など)

この計算で出てきた数字が500万円以上でした。

つまり、今すぐ更地にして売っても、購入価格の450万円は回収できる可能性が高い。これが見えた瞬間、この物件は「最悪でも損しない」という確信に変わりました。

物件選びの軸については別の記事に詳しく書いています。

不動産投資で失敗しない物件選びの軸|収益と出口の2点だけ見ればいい

入居者の属性を、家賃と滞納履歴で読む

オーナーチェンジ物件で次に怖いのが、入居者がすぐ退去するリスクです。せっかく買っても、半年で退去されたらリフォーム費用がドカンと発生する。築46年の戸建で空室になると、内装の更新だけで100万円コースは普通にあります。

この物件の入居者は、以下の条件でした。

  • 高齢のご夫婦
  • 10年以上同じ家に住み続けている
  • 家賃滞納の履歴ゼロ
  • 入居者側でセルフ修繕してきた経緯あり(簡単な水回りの補修など)

10年住み続けているという事実だけで、すでにこの家に対する執着が強いことが分かります。高齢のご夫婦が、新しい家を探して引っ越す確率は、若い単身者よりはるかに低い。

加えて、自分でセルフ修繕してきたという履歴は重要です。これは2つの意味があります。ひとつは、入居者が建物を大事にしている証拠。もうひとつは、所有者側が今後修繕費を負担する場面が少ないということ。

築46年の建物を持つときに一番怖いのは「想定外の大修繕」ですが、入居者がこれまで自前でやってきたなら、こちらが急に高額な修繕を請求される可能性は低い、と判断しました。

デメリット:キャッシュフローは薄い

ここまで書いてきたとおり、私はこの物件を「出口で勝つ」ロジックで買いました。逆に言うと、毎月のキャッシュフローはほぼ出ていません

家賃5万、返済4万、月CF1万。

ここから固定資産税・火災保険・将来的な修繕積立を引くと、年間ベースでは実質ほぼトントンです。月1万円のCFは、固定資産税の積立で消える金額に近い。

これは正直なデメリットだと思っています。

複数棟持って毎月のCFで生活費を賄いたい人にとって、月CF1万円の物件は意味がありません。CFを積み上げて次の物件の頭金にしたいフェーズの人にも向かない。

私がこの物件をOKにしたのは、個人名義で1棟持っておくという戦略的な意味合いも大きかった。法人で大型の融資を引く前に、個人で小さい返済実績を積んでおくと、銀行への見せ方が変わります。

買って2年、トラブルゼロの理由

買ってから2年経ちました。

この間に発生したトラブルは、ゼロです。

入居者からの修繕依頼もなく、家賃の遅延もなく、近隣からのクレームもない。固定資産税の支払いと、年に1度の火災保険の更新だけ。本当に何もしていない。

これは運が良かった部分もありますが、買う前に見たポイントが当たっていた面もあると思っています。

  • 入居者が長年住んでいる = 急な退去リスクが低い
  • セルフ修繕の履歴 = 修繕依頼の頻度が低い
  • 基礎・外壁が致命的じゃない = 大規模修繕が発生していない
  • 庭の管理状態が良い = 入居者が建物を大事にしている

築古戸建で「トラブルゼロ」を狙うなら、物件のスペック以上に入居者を見ることが効くと、この2年で実感しました。

同じ判断ができる人・できない人

最後に、この買い方が向いている人・向いていない人を書いておきます。

向いている人

  • 自己資金で全額キャッシュ買いするか、小さい融資(300〜500万)を組める人
  • 出口(解体費・更地売却)の計算が自分でできる人
  • 月CF1万円でも「出口で取れるならOK」と割り切れる人
  • 個人名義でも法人名義でも、1棟目として小さく入りたい人

向いていない人

  • 月CFを積み上げて次の物件の頭金にしたい人
  • 内覧しないと不安で動けない人
  • 物件の劣化リスクを自分で評価できない人
  • フルローンで買おうとしている人(築古戸建にフルは出にくい)

特に最後の点は重要で、築46年の戸建にフルローンは基本的に出ません。出ても保証料込みで実質的な金利は高くなります。私の場合は信金で半額弱を融資、残りは自己資金、という形でした。

同じ立場の方へ

築古戸建の魅力は、少ない自己資金で、出口が見える物件を買えることです。月CFは薄くても、出口で取り返せる構造なら、最悪損しない。

ただ、内覧なしで買うのは、誰にでも勧められる手法ではありません。私の場合は、信頼できる業者からの紹介で、入居者属性が明確で、土地値以下という3点が揃っていたから動けました。1つでも欠けていたら、内覧できない時点で見送っていたと思います。

築古戸建を狙っている方は、利回りだけでなく土地の実勢価格・解体費用・出口の売却価格を、業者に踏み込んで聞いてみてください。物件の裏側にあるロジックが見えると、判断のスピードが変わります。

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さる

さる

副業禁止のサラリーマン大家 / 法人スキーム実践中

30代の会社員。築古戸建で個人購入 → 妻名義法人で2棟目を取得。 法人融資で3棟分契約解除という授業料を払った経験から、 融資・節税・物件管理の「数字と戦略」をリアルに発信しています。

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