METSバーチャルオフィスで法人登記はアリか|実家登記1年の大家が本気で検討した料金・拠点・注意点
月270円からのMETSバーチャルオフィス。法人登記できるプランはどれか、自社ビル直営の強みは本物か。実家登記1年のサラリーマン大家が料金・拠点・会社設立サポートまで公式情報を調べ尽くした記録です。
副業禁止の会社員として本業を続けながら、妻名義の合同会社で2棟目(築13年・木造10戸のアパート)を持っている「さる」と申します。
うちの法人の登記住所は、実家だ。自宅・実家・バーチャルオフィスの3案を比較して実家を選び、1年運用して、郵便物の受け取りやら何やらの地味な手間に音を上げかけて、バーチャルオフィス3社をもう一度本気で比較した——というのがこれまでの経緯だ。
その3社比較のとき、料金表を見て「これは安すぎる」と最初に手が止まったのがMETSバーチャルオフィスだった。住所利用だけなら月270円。法人登記ができるプランでも月1,430円。桁を疑って公式サイトを見直した記憶がある。
今回はそのMETSバーチャルオフィスを、単体で深掘りする。といっても私はMETSの契約者ではない。実家登記の継続かバーチャルオフィスへの切り替えかを迷っている当事者として、公式サイトの料金・拠点・規約まわりを隅々まで調べて、「どういう人なら選ぶべきで、どういう人はやめたほうがいいか」を自分の判断軸で整理した記録だ。これから法人化する人、登記住所で詰まっている人の判断材料になればと思う。
METSバーチャルオフィスとは|不動産業70年超・自社ビル直営という異色の出自
バーチャルオフィスというのは、登記住所として使える「住所だけのレンタル」サービスのこと。郵便物は転送してもらえて、月数百円〜数千円で契約できる。法人の登記住所問題を最小コストで解決する手段として、妻名義法人・副業法人の界隈では定番の選択肢だ。
METSバーチャルオフィスの運営はオリンピア興業株式会社。不動産業を70年以上やってきた会社で、ここが他社との一番の違いになるのだが、拠点のビルそのものを自社で所有して直営している。
拠点は東京に4つ。
- 新宿三丁目(新宿区・新宿三丁目駅から徒歩圏)
- 日本橋兜町(中央区・日本橋駅から徒歩圏)
- 新宿御苑(新宿区・新宿御苑前駅から徒歩圏)
- 赤羽(北区)
新宿・日本橋という「登記簿に載せて恥ずかしくない住所」を、後述の通り月1,430円から取れる。しかも各拠点は同社が運営するレンタルオフィス(家具・ネット込みで月3万円台〜)と同じビルだ。つまり住所の中身が「私書箱の棚」ではなく、実際に人が働いているオフィスビルになっている。
なぜ出自にこだわるかというと、バーチャルオフィス業界には「運営会社が撤退して、登記した住所ごと消える」という構造的なリスクがあるからだ。多くのバーチャルオフィスは、運営会社自身がビルの一室を「借りて」いる。上位の賃貸契約が終われば、その住所は使えなくなる。登記住所の変更には登録免許税3万円と司法書士費用(自分でやるならGVA法人登記のような書類作成サービス代)がかかる。月数百円の節約が、数年後に数万円の住所変更コストで吹き飛ぶシナリオは普通にあり得る。
自社所有ビルの直営なら、このリスクが構造的に低い。公式サイトによれば直近1年の会員継続率は98%超。数字の検証はできないが、「安いから撤退も早い」タイプの業者とは作りが違う、というのが調べた上での私の理解だ。
料金プラン|法人登記できるのは「ビジネスプラス」月1,430円〜
プランは大きく5つ。妻名義法人・不動産法人の登記住所として使う前提で見ると、選択肢は実質1つに絞られる。
| プラン | 月額 | 法人登記 | 郵便物 |
|---|---|---|---|
| ライト | 270円〜 | ✕ | 受け取り不可 |
| ネットショップ | 550円〜 | ✕ | 転送あり(EC向け) |
| ビジネス | 1,100円〜 | ✕ | 保管・来店受取・転送 |
| ビジネスプラス | 1,430円〜 | ○ | 保管・来店受取・月1回無料転送 |
| 会社設立サポート | 設立まで0円 | ○ | ビジネスプラス相当 |
これとは別に入会金が3,850円かかる。月額は年払い前提の最安表記なので、契約形態で多少前後する点は公式の見積もりで要確認だ。
注意したいのは、月270円で登記はできないということ。広告で目にする「月270円〜」はライトプラン、つまり住所を名刺やサイトに書けるだけのプランで、郵便物も受け取れない。法人の登記住所にするならビジネスプラス(月1,430円〜)一択になる。
それでも安い。私が3社比較で並べたGMOオフィスサポートの登記可能プランが月1,650円、リージャスに至っては月13,500円〜だから、METSバーチャルオフィスは登記可能プランの実額で最安水準にいる。年間コストにすると「月1,430円×12ヶ月+入会金3,850円」で2万円強。法人住民税の均等割(年7万円)より安い金額で、新宿や日本橋の住所が登記簿に載る。
郵便物は月1回の無料転送に加えて、保管・来店受取が選べる。転送頻度を上げたい場合はオプション課金の世界になるので、郵便物が多い事業だとコストが変わってくる。不動産賃貸業の法人は、税務署・法務局・銀行・管理会社くらいしか郵便の発生源がないので、月1回転送で困る場面はほぼないはずだ。
これから法人を作る人向け|「会社設立サポートプラン」は設立完了まで賃料0円
私が公式サイトを調べていて、3社比較のときには気づいていなかった発見がこれだ。
METSバーチャルオフィスには会社設立サポートプランという枠があり、これから法人を作る人は設立完了まで賃料0円(上限12ヶ月)で住所を使える。定款に書く本店所在地として先に住所を確保し、登記が完了したらビジネスプラスに移行する流れ。銀行口座開設のサポートや専用電話番号のオプションもこの枠に含まれている。
法人設立のとき、登記住所は「先に」決まっていないといけない。定款認証にも登記申請にも本店所在地が要る。私のときは実家だったので悩まなかったが、住所を借りて法人を作る場合、「まだ売上ゼロの設立準備期間に月額だけ発生する」のが地味に嫌なポイントで、そこが0円になるのは設計として合理的だと思う。
もうひとつ、バーチャルオフィス登記の定番の不安である銀行口座について。「バーチャルオフィスだと法人口座が作れない」という言説は半分本当で半分嘘だ。メガバンクの審査では実体の乏しい住所はマイナスに働き得るが、ネット銀行や信用金庫では事業実態の説明のほうが重要になる。METSは公式サイトで大手行・ネット銀行での口座開設実績を明示している。私自身、妻名義法人の口座と融資で信用金庫と付き合ってきた経験から言えば、住所より「事業計画と通帳の中身」で見られる場面のほうが圧倒的に多い。住所が理由で口座開設に詰まるリスクは、ゼロではないが過大評価されている、というのが私の感覚だ。
自社ビル直営の「実体」を確かめる|新宿御苑・日本橋兜町の拠点を見る
バーチャルオフィス選びで私が一番重視するのは、料金より「その住所に実体があるか」だ。銀行や取引先が住所を検索したとき、何が出てくるか。
METSの場合、同じビルがレンタルオフィス「METSオフィス」として稼働している。新宿御苑拠点は新宿御苑前駅から徒歩数分、日本橋兜町拠点は日本橋駅から徒歩数分の自社ビルで、家具・水道光熱費・ネット込みのサービスオフィスが入っている。つまり住所を調べると「ちゃんとしたオフィスビル」が出てくる。
これは融資の場面で効いてくる、と私は見ている。信用金庫の担当者は法人の登記住所を必ず見る。「聞いたことのない雑居ビルの私書箱」と「不動産業70年の会社が直営するオフィスビル」では、説明のしやすさが違う。もっとも、3社比較の記事にも書いた通り、融資審査で住所が決定打になった経験は私にはない。効くのはあくまで「マイナスを作らない」方向だ。
弱みと注意点|地方在住の私がMETSを選ばなかった理由
ここまで書くと良いことずくめに見えるが、私は現時点でMETSバーチャルオフィスを契約していない。理由はシンプルで、拠点が東京にしかないからだ。
私は地方都市在住で、法人の物件も地元にある。地方の信用金庫と付き合う前提の不動産法人が、本店所在地だけ新宿にあると、「なぜ東京?」の説明が毎回発生する。融資は本店所在地の営業エリアに縛られる金融機関が多く、地元の信金から見て管轄外の本店は普通にマイナスだ。だから私の結論は3社比較のときから変わらず、地方在住なら全国に拠点があるGMOオフィスサポート、東京近郊在住ならMETSという整理になる。
その他、調べていて引っかかった点も並べておく。
- 「月270円」では登記できない。登記はビジネスプラス(月1,430円〜)。広告の最安値と実際に使うプランの価格は分けて見る必要がある
- 入会金3,850円が別途かかる。年間コストで比較するときは忘れずに乗せる
- 郵便転送は月1回が基本。急ぎの書類が多い事業ならオプション費用まで含めて試算する
- 審査がある。バーチャルオフィスは犯罪収益移転防止法の関係で本人確認・利用目的の審査があり、申し込めば誰でも通るわけではない。事業内容は正直に書くこと
- 赤羽拠点は「一等地住所」ではない。都心3拠点と比べると住所のブランド力は落ちる。その分の使い分けはあると思うが、登記簿の見栄えを重視するなら新宿か日本橋を選ぶことになる
最後の点は裏を返すと、拠点によって住所の性格がはっきり違うということでもある。金融・証券系の会社が集まる日本橋兜町、商業の新宿三丁目、落ち着いた新宿御苑、生活圏の赤羽。どの住所を登記簿に載せたいかで選べるのは、複数拠点を自社で持っている会社ならではだ。
私の結論|「東京近郊で最安の登記住所」を探しているなら本命
整理する。METSバーチャルオフィスが向いているのは、こういう人だ。
- 東京近郊在住で、法人の登記住所を最安水準で確保したい人。ビジネスプラス月1,430円〜+入会金3,850円は、登記可能プランとして最安クラス
- これから法人を設立する人。会社設立サポートプランなら設立完了まで賃料0円で住所を押さえられる
- 住所の「実体」と運営の安定性を重視する人。自社ビル直営・不動産業70年超・会員継続率98%超という構造は、撤退リスクを気にする人ほど効く
逆に向いていないのは、地方在住で地元の金融機関と付き合う人(私だ)、郵便物が頻繁に発生する事業、対面の来客がある事業。このあたりは無理にバーチャルオフィスに寄せず、登記住所の選び方そのものから考え直したほうがいい。
私自身は実家登記を続けながら、親の代替わりのタイミングで「東京に住んでいたらMETS、地方在住の今はGMO」という結論を持ち続けることになりそうだ。ただ、もし今ゼロから東京で妻名義法人を作るなら——定款の本店所在地は、月1,430円の新宿か日本橋で決めていたと思う。
公式サイトの料金表と拠点写真は一度自分の目で確かめてほしい。「安すぎる」の感覚は、たぶん私と同じところで手が止まるはずだ。
👉 METSバーチャルオフィスの公式サイトで料金プランを見る
よくある質問
Q. METSバーチャルオフィスで合同会社の登記はできる?
できる。ビジネスプラスプラン(月1,430円〜)が法人登記対応で、株式会社・合同会社どちらも登記住所として使える。私のような妻名義の合同会社スキームでも住所要件は同じだ。
Q. 月270円のプランで法人登記はできる?
できない。ライトプラン(月270円〜)は住所の表記利用のみで、郵便物の受け取りも不可。法人登記にはビジネスプラスが必要になる。
Q. バーチャルオフィス登記だと銀行口座や融資で不利にならない?
ゼロではないが、過大評価されがちだと思う。ネット銀行・信用金庫は住所より事業実態を見る。METSは自社ビル直営で住所に実体がある分、バーチャルオフィスの中では説明しやすい部類だ。ただし地方の金融機関と付き合う法人が東京に本店を置くと営業エリアの問題が出るので、そこは住所のグレードでは解決しない。
Q. 実家や自宅の登記と比べてどっちがいい?
コストだけなら実家(0円)に勝てない。ただ実家登記には郵便物の回収・家族の手間・住所が親の家というリスク(売却・相続で住所が消える)がある。1年実家運用した実感として、月1,430円でその手間が消えるなら安いと感じる場面は確実にある。比較の考え方は登記住所3案の比較記事に書いた。
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さる
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